研究課題/領域番号 |
16K21305
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋一郎 北海道科学大学, 保健医療学部, 講師 (20433518)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 転倒予防 / 片脚立位 / 足趾機能 / 姿勢制御 / バランス能力 / 協調性 |
研究実績の概要 |
前年度解析された片脚立位保持中の足趾の力に関する高齢者データと若年者データについてまとめ作業を実施した。結果として、高齢者における足趾間(母趾と小趾)の力の協調性については、若年者と相違がみられなかった。ただし、足圧中心点の変位と母趾とのカップリングについては、高齢者において若年者よりも稚拙であった。そのことが、高齢者において片脚立位保持時間が若年者よりも短縮してしまっている要因であることが示唆された。さらに、この母趾と足圧中心点カップリングの稚拙さは、小趾と足圧中心点とのカップリングによって代償されていることもまた示唆された。この示唆された高齢者の片脚立位保持中の足趾の協調性については、現在論文化をしているところである。さらに仮説として、股関節運動が母趾の機能低下を代償していることも考えられた。この仮説については、新たな研究課題において実証していく予定である。 また、当初計画に則り、その示唆された研究結果から考案された転倒予防プログラムを高齢者へ実施した。プログラムの内容としては、足趾の柔軟性向上、筋力向上および足趾運動の切り返し能力向上のための運動を実施した。当初は、即時効果と3ヶ月間のプログラム実施による変化を検討する予定であったが、脱落者が多かったため、即時効果のみの検討となった。現在解析中であるが、考案された転倒予防プログラムは片脚立位保持の時間を延長させる傾向をみせている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
若年者および高齢者の測定を終了できており、当初予定していた転倒予防プログラムの立案も実施できた。また、そのプログラムに基づいた運動を高齢者に実施していただき、プログラム実施前後の片脚立位保持時間の変化についても測定することができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で示唆された高齢者における足圧中心点の変位と足趾とのカップリング能力の低下の要因として、足趾機能に加えて、股関節と足趾との協調性低下も仮説として挙げられた。その仮説について、新たに採択された研究課題において明らかにしていく予定である。具体的には、股関節の関節運動と足趾の運動との協調関係について、相互相関関数等を用いて明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度において、追加実験および学会での発表を予定しているため、次年度使用額が生じた
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