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2016 年度 実施状況報告書

頚動脈小体感覚神経終末のグルタミン酸による化学受容調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K21306
研究機関岩手医科大学

研究代表者

横山 拓矢  岩手医科大学, 医学部, 助教 (70772094)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード頚動脈小体 / グルタミン酸 / 免疫組織化学 / 低酸素
研究実績の概要

免疫組織化学法によってラット頚動脈小体における感覚神経終末の形態学的特徴を解析した。その結果、頚動脈小体に分布する感覚神経終末はP2X2型およびP2X3型ATP受容体の陽性反応を示しており、平板状の末端部を形成して化学受容細胞の集団を緊密に取り囲んでいた。神経終末の立体再構築像により、一部の神経終末は樹枝状や杯状といった多様な末端部を形成して化学受容細胞と接していることが分かった。多重染色により感覚神経終末と化学受容細胞との関係性を調べると、チロシン水酸化酵素(TH)陽性反応を示す細胞には神経終末が認められるが、ドパミンβ-水酸化酵素(DBH)陽性の細胞には神経終末は密に分布していなかった。したがって、化学受容細胞に発現するカテコールアミン合成酵素の分子によって神経支配に違いがあることが示唆された。
さらに、頚動脈小体の化学受容細胞と感覚神経終末に発現するグルタミン酸受容体について検索した。グルタミン酸受容体のうち、頚動脈小体ではAMPA型1-4、カイニン酸型GluK2,3,5、NMDA型GluN1,2A,2B、代謝型mGluR1,5,7のmRNA発現が認められた。一方で、感覚神経の神経細胞体が集合する舌咽神経遠位神経節では AMPA型1-4、カイニン酸型GluK1-5、NMDA型GluN1,2A,2B、代謝型mGluR1-7のmRNA発現が認められた。以上から、グルタミン酸は頚動脈小体の化学受容細胞と感覚神経終末の双方に作用する可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成28年度は、頚動脈小体に分布するP2X陽性感覚神経終末の形態学的特徴を解析して論文等で公表することができた。また、頚動脈小体等に発現するグルタミン酸受容体の分子種の解析も進み、現在は受容体の組織局在を特定するために形態学的解析を進めている。その一方で、化学受容細胞のカルシウムイメージングと頚動脈小体に分布する感覚神経(頚動脈洞枝)の活動記録実験の進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

平成29年度は、グルタミン酸に対する頚動脈小体化学受容細胞の反応特性を中心に解析する。形態学的解析については、mRNA の発現が確認された受容体に対する抗体を用いた免疫組織化学法を行い、頚動脈小体におけるグルタミン酸受容体の局在をタンパク質レベルで決定する。

次年度使用額が生じた理由

消耗品費の残額が生じた。

次年度使用額の使用計画

平成29年度の物品費に使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Serotonin-mediated modulation of acetylcholine-induced intracellular calcium responses in chromaffin cells isolated from the rat adrenal medulla2017

    • 著者名/発表者名
      Takuya Yokoyama, Yoshio Yamamoto, Tomoyuki Saino
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters

      巻: 644 ページ: 114-120

    • DOI

      10.1016/j.neulet.2017.02.048

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Three-dimensional architectures of P2X2/P2X3-immunoreactive afferent nerve terminals in the rat carotid body as revealed by confocal laser scanning microscopy2016

    • 著者名/発表者名
      Takuya Yokoyama, Tomoyuki Saino, Nobuaki Nakamuta, Tatsumi Kusakabe, Yoshio Yamamoto
    • 雑誌名

      Histochemistry and Cell Biology

      巻: 146 ページ: 479-488

    • DOI

      10.1007/s00418-016-1458-z

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ラット頚動脈小体における小胞性グルタミン酸輸送体VGLUT2陽性反応を示す感覚神経終末2017

    • 著者名/発表者名
      横山拓矢、山本欣郎、齋野朝幸
    • 学会等名
      第122回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      長崎大学坂本キャンパス(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30
  • [学会発表] ラット副腎髄質細胞におけるセロトニンによる細胞内Ca2+濃度上昇の抑制的調節2016

    • 著者名/発表者名
      横山拓矢、山本欣郎、齋野朝幸
    • 学会等名
      日本解剖学会第62回東北・北海道連合支部学術集会
    • 発表場所
      帯広畜産大学(北海道・帯広市)
    • 年月日
      2016-09-03 – 2016-09-04

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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