成長因子を利用した骨再生療法を想定する際、細胞生物学的な根拠を基に骨芽細胞の増殖や分化促進のために最も効果的な因子を上げるとすれば骨形成誘導因子であるbone morphogenetic protein (BMP)があげられる。しかしながら、外科的処置を併用したBMP投与による骨再生処置には必ず炎症反応が伴うため、in vitroで観察されるようなBMPによる良好な骨形成反応がin vivoでは期待できないことが明らかとされている。そこで、本研究では、BMPとは異なる作用様式を有する複数の成長因子を組み合わせて用いて、炎症性刺激に影響されない間葉系幹細胞の骨芽細胞分化誘導技術を樹立する。
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