今年度は、本研究における最終年度であった。当初予定していた全国のアンケート調査、データ入力、分析を行い、論文を一部執筆している。 具体的には、アンケート調査は、全国のサービス付き高齢者向け住宅(以下、サ高住とする)から2000か所を全国の分布割合から層化無作為抽出し、実施した(有効配送数1977か所)。調査項目は、属性と入居者像、介護保険外サービスの提供と地域への展開、65歳以上の高年齢者の雇用、多職種連携と入退居経路とした。回収率は、18.5%(n=365)であった。 主な結果として、事業主体法人等種別、主な業種、入居時の要件、特定施設指定の状況、サ高住併設の医療、介護サービスの状況、要介護度別入居者数、介護保険サービスの利用状況、介護保険外サービスの提供状況と地域への展開状況、高年齢者の雇用状況と業務の実態、入退院時等における多職種連携の形態や入居者の入退去経路が判明した。 具体的には、法人等種別は株式会社が最も多く、業種では介護系事業者が最も多かった。入居経路は、自宅からが最も多く、退居経路は、死亡が最も多かった。同一建物敷地内に併設している医療介護サービス施設・事業所は、訪問介護が最も多く、通所介護、居宅介護支援、訪問看護、小規模多機能型居宅介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が主なものであった。入退院時等における多職種連携でカンファレンスに関わる専門職種は、ケアマネジャーが最も多く、介護福祉士、看護師、医師、社会福祉士が主なものであった。また、医療・介護サービスが入居者に提供されている回数や併設事業所の組み合わせ、入退院時等のカンファレンス時の多職種連携の組み合わせ、高齢者雇用の実態と担っている役割等も明らかになった。
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