| 研究課題/領域番号 |
16K21310
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| 研究機関 | 東北医科薬科大学 |
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研究代表者 |
山崎 寛之 東北医科薬科大学, 薬学部, 講師 (70525344)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 休眠生合成遺伝子 / 二次代謝産物 / 新規活性物質 / 海洋糸状菌 / ケミカルエピジェネティクス |
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| 研究実績の概要 |
近年の研究において、微生物が有する二次代謝産物生合成遺伝子の多くが休眠状態にあると分かり、通常の培養条件で生産される微生物代謝物が全体の一部であることが示唆された。本研究では、微生物が持つ物質生産能を効果的に引き出す手法を探索・構築し、新規有用物質の発見および現有微生物資源の再開拓を目指す。
1. 2015年度にインドネシア北スラウェシ州マナド市近海で採集した海洋糸状菌23株を対象に培養条件検討を行った。
(1) 通常の生産培地に加え、海水、ハロゲン化物塩(NaBrやNaI)および重金属塩(CoCl2等)を添加した培地を用いて、sirtuin活性化剤resveratrolやHAT阻害剤curucminによるケミカルエピジェネティクスを検討した。得られた培養液はライブラリーとして保存し、代謝物の変化をHPLC-DADおよびLC/MSにより分析している。
(2) (1)の検討過程において、Cladosporium sp.TPU1506株の培養液中より新規calphostin類を単離した。また、Cladosporium sp.TPU1507株からは、バリンを含む新規三環性ポリケタイドを見出した。現在、種々のアミノ酸添加培養を実施し新規誘導体の生産を検討している。
2. これまでの研究から、培地中のハロゲン化物塩を代謝物に取り込む糸状菌Trichoderma sp.TPU199株を見出している。このような能力を有する菌株を効率的に取得するため、分離源をMNNGで処理した後、高濃度のNaBrを含む寒天培地に塗布した。予備実験として仙台市内の土壌を用いた検討から、2株の高濃度NaBr耐性菌株を取得し、1株よりBrを取り込んだ代謝物の生産を確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに実施してきた培養検討に加え、耐性菌株を利用した新たな試みは、糸状菌の物質生産能拡張に繋がると期待している。また、本課題の重要な研究材料である海洋糸状菌を、国内外(沖縄県西表島とインドネシア北スラウェシ州マナド市)より新たに分離した。新たな有用物質生産法の探索・確立についても引き続き行っている。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成28年に度引き続き、ケミカルエピジェネティクスと培地条件の融合を検討する。また、耐性菌株を利用した物質探索についても、新たに分離予定の海洋糸状菌に適応し、本手法の有用性を確認していく予定である。平成29年度においても糸状菌の分離を国内外の海洋環境から行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度においては、安価なエピジェネティック試薬を用いて検討を行った。これに伴い差額が生じたため次年度に繰り越すことにした。
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| 次年度使用額の使用計画 |
予備実験より検討対象とする菌株を絞り込み、様々な試薬を用いてケミカルエピジェネティクス実験を推進する。このための必要経費として計上する。
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