本研究は坐骨神経結紮や糖尿病に起因した神経障害性疼痛モデルマウスにおける脊髄内アンジオテンシン (Ang) IIの関与を明らかにし,新規治療法の開発を目指すものである.結果として,これらの神経障害性疼痛における脊髄内Ang IIの関与は認められなかった.一方,2型糖尿病モデルであるob/obマウスの脊髄内ではAng IIの代謝物であるAng (1-7) 産生系の活性が低下しており,このことが糖尿病性神経障害性疼痛に関与していることを見出した.本研究で明らかにした,糖尿病性神経障害性疼痛における脊髄内Ang (1-7) 産生系の関与は,今後の新規治療法の開発に重要な役割を果たすことが期待される.
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