長時間労働者に抑うつを引き起こす危険要因

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 16K21316
• 研究機関: 自治医科大学
• 研究代表者: 加藤 梨佳 自治医科大学, 医学部, 助教 (50759941)
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 抑うつ / 長時間労働

研究実績の概要

わが国では脳・心臓疾患や精神疾患等の健康障害を防止するため長時間労働者の抑制が急務とされ、長時間労働対策は社会的に重要な課題となっている。このため、「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」等に基づき対策が推進されてきたが、長時間労働に伴う健康障害の増加など問題は深刻化している。そこで本研究は、長時間労働者において抑うつ発症に関連する労働時間以外の危険要因を明らかとすることを目的としている。
本研究では、長時間労働者に対して属性・就業関連要因・抑うつ等を調査項目として含むアンケート調査を実施する。平成29年度は、次年度以降にアンケート調査を実施するための準備を行った。
調査対象者を確保するために複数の企業に本研究の説明を実施し、次年度以降のアンケート調査実施の協力の了承を得た。協力企業からの希望があり質問紙調査とweb調査を併用することとし、準備を進めた。質問紙は既存の尺度と作成した質問で構成した。当初は日本語のアンケートのみを使用予定であったが、調査対象者に外国人の労働者も多数含まれる見込みとなり、日本語版とともに英語版のアンケートも作成した。英語版のアンケートを作成するにあたり、作成した質問に関しては、日本語版から英語への翻訳、逆翻訳、日本語版と逆翻訳の比較検討を行った。対象者への説明文書も日本語と英語で作成した。
研究代表者の所属機関の自治医科大学臨床研究等倫理審査委員会に本研究の審査申請を行い、現在審査中である。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

科学研究費助成事業補助事業期間を1年間延長したため、研究実施計画の変更を行った。また、アンケート調査内容を熟考し、協力企業との連携などの研究体制の構築を図ったため、アンケート調査の実施準備に時間を要しアンケート調査の実施時期が次年度以降になった。

今後の研究の推進方策

長時間労働者に対してアンケート調査を実施し、集計・疫学的解析を行うことにより、長時間労働者における抑うつ発症の危険要因を明らかにすることを目的に研究を推進する。

次年度使用額が生じた理由

アンケート調査の実施準備に時間を要しアンケート調査の実施が平成30年度以降となったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額と翌年度分として請求した助成金を合わせて、アンケート調査の実施に伴う費用として使用する。