本研究では、NCEH1が脳内CE量および24S-HC量を調節することで、Aβ沈着などのAD発症に関与するかどうかを細胞実験および動物実験から検証した。その結果、細胞レベルではNCEH1とADとの関連が実証されなかったが、in vivo レベルでのNCEH1欠損によるester体の蓄積がAD発症の原因因子であるAβの沈着さらには記憶障害へと関連することが示唆された。今後、NCEH1 欠損におけるCEおよび24S-HC ester蓄積によるAβ沈着のメカニズムを解明することにより、新規AD発症因子の発見、さらには新たな創薬ターゲットの提示に繋がることが期待できる。
|