本研究は狭路歩行を用いた高齢者の歩行バランス能力の評価を試みた.そして,8cm以下の狭路幅で若年者よりも高齢者の狭路歩行の到達距離が短くなり,その傾向は歩行中に計算課題を付加する(二重課題歩行)ことで顕著になることが明らかになった.また、8週間のバランストレーニングを行うことで高齢者の二重課題歩行における狭路歩行の到達距離が延長した.このことから,狭路歩行で高齢者のバランス能力を評価するためには8cm以下の狭路幅が適していること,ならびに狭路歩行で評価される高齢者のバランス能力にはトレーナビリティがあると考えられた.
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