研究課題/領域番号 |
16K21322
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
望月 浩志 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (60633401)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 健康診査 / 斜視 / 弱視 / 瞳孔 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、発達障害に合併することが多い斜視や弱視など眼科疾患の検出率が低いと報告されている従来の幼児健康診査(健診)において新たな眼科検査の導入によって健診の有効性の向上を目指すことが主な目的である。平成29年度は下記について研究を遂行した。 1-1)現在の3歳児健診において多くの自治体で使用されている質問項目についての斜視や弱視で病院に受診中の患児の保護者へのアンケート結果についてデータの整理と検討を行った。1-2)研究の基礎データとして、斜視や弱視で病院に受診中の患児の3歳児健診の疾患検出率について検討した。その結果、検出率が極めて低く、一次健診に利用されている質問紙や視力検査の方法に問題があることが示唆された。1-3)研究の基礎データとして、未就学児の屈折値や視力、斜視、両眼視機能についての疫学データについて検討し、眼鏡矯正が必要な児および眼位異常がある児がそれぞれ3%程度いることがわかった。1-4)質問紙を作成する上で、眼科の知識をもたない一般の方がどの程度の斜視があれば斜視に気づくかを検討した。その結果、一般の方は眼科的な知識をもつ方より大きい角度の斜視でなければ気づかず、約20△程度と比較的大きな斜視ではじめて大半の方が斜視に気づくことがわかった。1-5)斜視や弱視で受診中の患児の保護者に対するアンケート結果を参考に新たなアンケートの質問項目の候補を挙げた。 2)低出生体重児および対照群としての正常発達児の青色光による対光反応の測定を行いデータを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
29年度中に30年度からの所属機関の変更が決まり、それに伴う業務の繁忙により質問紙に関する検討およびデータ収集に支障が出たため研究の進行に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は最終年度となるため、研究を遂行しつつ、成果をまとめ成果発表や学術論文の投稿を行う。すでに取得した既存の質問項目の疾患検出率のデータについて成果報告を行う予定である。早急に、現所属にて研究実施環境の整備に努め、前所属の協力を得ながら新しい質問項目の妥当性の検討と低出生体重児における対光反応データの収集およびデータ解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究機関の所属変更に伴う研究環境の整備や研究遂行のための前所属への旅費、成果発表や論文作成などが中心の支出となる。
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