H28年度の予定では(1)電気刺激を用いたEMSTの開発(対象:若年者(健常成人)であった。若年者を中心とした呼気筋力トレーニングの効果を調査する研究を行い若年者では呼気筋力、呼気流速共に向上することを確認した。他、強制咳嗽時に働く呼気筋を表層から筋電図により解析し、電気刺激による補助を行うに最も有効な筋肉の優先度を調査し、刺激対象の筋の決定後はより詳細にどの部位に電気刺激を入れることがより咳嗽時に有効なのか考察した。 虚弱高齢者に対する呼気筋力トレーニングの効果に対し3ヵ月間の介入研究を行った。そのデータをまとめ学会で発表した“虚弱高齢者に対する呼気筋力トレーニングが呼吸機能及ぼす影響”について、論文化し公表した。 H29年度は電気刺激を用いた呼気筋力トレーニングの臨床応用(対象:虚弱高齢者)を進めていく予定であった。誤嚥性肺炎予防のためのプログラムとして、呼気筋力トレーニングを行ってもらう。通常の呼気筋力トレーニングの群と電気刺激を併用した呼気筋力トレーニングを行う群と電気刺激のみの群とで比較する。 若年者を対象とした研究同様の介入方法、評価を行い、咳嗽能力への効果を比較検討する予定であったが電気刺激の群のデータが思うように集まらず難渋している。電気刺激による呼気筋力トレーニングを行ってくれる対象者を確保しながら継続して研究を進めていく。 H30年度は電気刺激による対象者の確保に尽力したが希望しているような対象者数は得られなかった。対象者数は少ないが効果量で検討すると電気刺激群の方がより効果が出ている印象がある。現在、まとめている。ベッドアップの角度や背もたれとの関係において呼吸機能や咳嗽機能がどのように変わるのかも検討したので今後検討していく。
|