研究課題
若手研究(B)
本研究は、骨代謝において骨吸収を担う破骨細胞に対し、Syk阻害剤の作用について細胞融合に与える影響を検討した。その結果、破骨前駆細胞様細胞RAW264.7細胞に対し、分化の後期においては細胞融合が促進される所見を得た。このような効果はSyk阻害剤に広く認められた。しかし、リアルタイムPCRの結果から破骨細胞関連因子には影響がなく、細胞融合はシーリングゾーンの構造の変化によるものであることが示唆された。
骨代謝
私たちの体は毎日の骨代謝により作り変えられている。このバランスが崩れると骨粗鬆症のように日常生活に大きな影響を及ぼすことになる。骨代謝は骨芽細胞と破骨細胞により制御されている。今回、破骨細胞の細胞融合のメカニズムにおいて、Syk阻害剤は細胞周囲を取り巻くシーリングゾーンの構造を変化させることで細胞融合を促進させる可能性が示唆されました。今後はさらに破骨細胞を制御するメカニズムについて研究をすすめ、骨代謝疾患の治療に役立てたいと思っています。