本研究では音響加振によって表面に生じる振動に着目し非接触的に関節軟骨の力学的特性である粘弾特性を測定することを目的とする.加振装置はスピーカーから出力される音波をエクスポネンシャル型のノズルを用いて集束し試料へ加振力として入力する.試料表面に励起された振動応答をレーザー変位計を用いて二点同時計測することによって,各加振周波数における位相速度を算出し,Vogitモデルと仮定した試料の粘弾性係数を同定する.提案したシステムの妥当性は,コラーゲン含有率の異なるゼラチンファントム(2wt.%,5wt.%,8 wt.%)の50~120Hzにおける粘弾性係数を同定することによって検証した.
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