現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度は、ガラス基板に成膜したアモルファスIn2O3-ZnO薄膜から高い結晶性を持つホモルガスIn2O3(ZnO)m薄膜への形成に関する実験現象とメカニズムを調べた。さらに、In2O3(ZnO)m薄膜の熱伝導現象を評価し、第一原理計算を用いて熱伝導メカニズムを定性的説明した。得られた研究結果は学術論文で1件発表した。(Junjun Jia and Yuzo Shigesato, et. al, Formation of homologous In2O3(ZnO)m thin films and its thermoelectric properties, Journal of Vacuum Science & Technology A 34 (2016) 041507.) また、日本熱物性シンポジウムと日本応用物理学会(春季・秋季)とEuropean Materials Research Society (EMRS) 2016 Spring Meetingで計4件口頭発表した。日本熱物性シンポジウムのプロシーディングスに論文1件として掲載した。(Junjun Jia, et al., Thermal conduction phenomenon in homologous In2O3(ZnO)m film, Proc. 37th Jpn. Symp. Thermophys. Prop., A131, (2016).)
さらに、アモルファス構造からホモルガス構造への固相反応に関する理論を構築するために、九州シンクロトロン光センターに広域X線吸収微細構造(EXAFS)の測定を行い、焼成温度によってIn2O3(ZnO)n薄膜の局所構造の変化を把握した。これらのデータを基づいて、分子動力学法により固相反応のメカニズム解明へのシミュレーション手法を構築した。
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