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2016 年度 実施状況報告書

肝修復、肝類洞再生を制御するプロスタグランジン受容体シグナルの解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K21350
研究機関北里大学

研究代表者

大久保 博世  北里大学, 医学部, 助教 (50406930)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード再灌流 / プロスタグランディン
研究実績の概要

肝虚血再灌流障害におけるPGE2誘導膜型PG合成酵素(mPGES-1)の役割を明らかにするために8週齢の雄性C57BL6マウス(WT)または雄性mPGES-1ノックアウトマウス(mPGES-1-/-)を実験動物に用いた。麻酔下に70%肝部分温虚血(45分)再灌流をおこない、再灌流後6,24,48,96時間の血清ALT、肝組織mRNA発現、免疫染色等の経時的変化を比較検討した。血清ALT値はWTで再灌流後6時間にピークとなり、 以後減少した。mPGES-1-/-では、WTと比較しALT値が有意に減少した。肝組織中のmPGES-1 mRNA発現は再灌流後WTで増強し、mPGES-1はCD68陽性細胞(マクロファージ)と共発現した。肝組織中の炎症性メディエーター(IL-1,IL-6,iNOS)mRNA発現はWT で増強し、この発現はmPGES-1-/-で抑制された。免疫染色でiNOSはCD68陽性マクロファージに発現した。肝障害部位に集積するGr-1陽性細胞(好中球)数はmPGES-1-/-においてWTよりも有意に減少し、肝組織におけるCXCL1やCXCL2のmRNA発現もmPGES-1-/-で抑制された。FACS解析をおこなうと、Gr-1陽性細胞からのROS産生はmPGES-1-/-で有意に減少した。
再灌流後のPGE2受容体サブタイプ(EP1~4)発現を検討するとEP4がWT で増強した。またEP4アンタゴニスト投与で血清ALTの有意な減少を認めた。同様に、EP4受容体ノックアウトマウスでは野生型マウスと比較し、血清ALT、炎症性サイトカイン、Gr-1陽性細胞数などが有意に減少した。
これらの結果から、肝虚血再灌流後mPGES1により産生されたPGE2は、EP4受容体シグナルを介して肝虚血再灌流障害に関与することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理由 本研究が、当初に立案した実験計画に沿って、ほぼ順調に遂行されている。

今後の研究の推進方策

当初の実験計画に沿って、本研究を進める。

次年度使用額が生じた理由

注文物品の納入が間に合わなかったため。

次年度使用額の使用計画

翌年度(平成29年度)において物品費として使用する予定がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] BLT(1) signalling protects the liver against acetaminophen hepatotoxicity by preventing excessive accumulation of hepatic neutrophils.2016

    • 著者名/発表者名
      Kojo K, Ito Y, Eshima K, Nishizawa N, Ohkubo H, Yokomizo T, Shimizu T, Watanabe M, Majima M.
    • 雑誌名

      Sci Rep

      巻: 6 ページ: 29650

    • DOI

      10.1038/srep29650.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] An inducible microsomal prostaglandin E syunthase-1 (mPGES-1) contributes to hepatic ischemia/reperfusion injury via PGE2/EP4 receptors.2016

    • 著者名/発表者名
      Ohkubo H, Ito Y, Nishizawa N, Inoue T, Kojo K, Amano H, Watanabe M, Majima M.
    • 学会等名
      The 8th Congress of International Federation of Shock Societies
    • 発表場所
      Tokyo, Japan
    • 年月日
      2016-10-03 – 2016-10-05
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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