研究課題
本年度は、我々が見出した新規EMT関連代謝遺伝子(EMT-MGs)の発現が、どのような転写因子で制御されているか検討を行った。SNAIファミリー転写抑制因子、TWISTファミリーBHLH転写因子、及びジンクフィンガーEボックス結合ホメオボックスといったEMT誘導転写因子(EMT-TF)によって、EMT関連遺伝子の発現は制御されていることが知られている。TGF-β誘導性のEMT-MGsの発現が既知のEMT-TFsで調節されているか調べた。はじめに、EMTマーカー遺伝子(CDH1、CDH2、及びFN1)、EMT-MGs、及び主なEMT-TFs(SNAI1、SNAI2、TWIST、ZEB1)について、TGF-β刺激後短時間(0、2、4、8、12、24、48時間)での発現変化を調べた。EMT-TFsについては、TWIST以外の3遺伝子の発現がTGF-β刺激後2時間で、十分な発現誘導が起こるのに対し、EMTマーカー遺伝子およびEMT-MGsの発現は2時間から発現変化が始まり、24-48時間にかけて徐々にその変化が顕著になった。次に、TGF-β刺激条件においてSNAI1、SNAIまたはZEB1の発現をsiRNAで抑制し、EMT-MGsの発現を調べた。TGF-βで誘導されるEMT-MGsの発現がSNAI1 siRNAによって抑制された。一方で、SNAI2またはZEB1 siRNAsはEMTマーカーの発現は抑制したが、EMT-MGsの発現には影響しなかった。これらの結果から、我々が見出したEMT-MGsは主にSNAI1によって発現制御されていることが示唆された。
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Sci Rep.
巻: 8 ページ: 6760
10.1038/s41598-018-25189-y
Chem Commun (Camb)
巻: 54 ページ: 11745-11748
10.1039/c8cc06068a