摂食抑制ホルモンとして同定されたネスファチン-1は心血管系にも直接影響を及ぼすことが明らかとなりつつある。しかし、動物モデルではネスファチン-1の投与による心血管系の保護作用と障害作用の両者が報告されている。本研究ではネスファチン-1の投与量を調節することで心血管系に悪影響を及ぼすことなく臓器保護作用のみを得ることができるかをマウス大腿動脈ワイヤー傷害モデルで調べた。投与量を調節したネスファチン-1は、脈拍数と収縮期血圧を変化させることなく、傷害動脈の新生内膜過形成を抑制した。さらにネスファチン-1前駆タンパクのトランスジェニックマウスにおいても傷害動脈の新生内膜過形成の抑制が認められた。
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