研究課題
若手研究(B)
本研究では臨床において十分な使用実績があり、かつ肺障害の副作用が報告されている関節リウマチ治療薬 メトトレキセート(MTX)による薬剤性肺障害に着目した。MTXの輸送を担うOATP4C1は肺胞上皮細胞に発現し、MTXによる細胞障害に寄与していることが示された。また、OATP4C1を介したMTXの細胞の蓄積が細胞形態変化や遊走能の獲得などのEMTを促すことが示された。MTX誘発肺障害患者の肺胞上皮細胞に発現するOATP4C1が肺障害発症に寄与している可能性が示唆された。
医療薬学
肺胞上皮細胞に発現するOATP4C1が輸送を担う医薬品による薬剤性肺障害発症機序の解明につながり、将来、OATP4C1の薬剤性肺障害の新たな治療方法の開発や副作用を予測するバイオマーカーとなりうつ可能性を秘めていることが特色である。