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2018 年度 実績報告書

新たな法益侵害事例に適した不法行為法理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 16K21375
研究機関成蹊大学

研究代表者

建部 雅  成蹊大学, 法学部, 教授 (30345251)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード名誉 / プライバシー / 誤情報 / 誤った光 / 救済 / 差止め / 人格的利益
研究実績の概要

最新の裁判例及び学説を精査し、そこに現れた問題を指摘するとともに、比較法的視点を踏まえ、解決策を提示することができた。
具体的には、近時の価値観の多様化に伴い既存の名誉毀損法理では対処できない事例が現実の裁判例の中に現れてきたことを指摘し、それに対処するために名誉・プライバシーという人格的利益に関してこれまでなされてきた議論に欠落してきた視点をドイツ法及びアメリカ法の議論から明らかにした。また、そのような視点を示すにあたって、アメリカ法及びドイツ法研究に関する日本の先行業績ではなぜその視点が紹介されてこなかったか・又は重視されてこなかったのかという理由を明らかにした。比較法研究とともに先行業績の分析を行うことによって、現在の日本法の議論に矛盾のない形で、アメリカ、特にドイツ法で重要性を増してきた新たな法益が承認されるべきことを論証した。また、法益侵害の救済方法に関するこれまでの議論の混乱の原因を示した。すなわち、差止めに関する重要な最高裁判決の先例的意義に関して裁判例及び学説に一定の誤読が存在していることを示し、それによって裁判例の適切な分析の方向性を示すことができた。また、差止めに関する議論の前提であるはずの用語法に関して裁判例及び学説に存在する多義性を具体的に論証した。これによって、議論の前提を明瞭なものとし、さらには人格的利益侵害に対する適切な救済方法が、さらに存在することを示すことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 義援金の不正疑惑を指摘する表現の解釈による不法行為責任の否定2018

    • 著者名/発表者名
      建部雅
    • 雑誌名

      法律時報別冊 私法判例リマークス

      巻: 57 ページ: 56,59

  • [図書] 民事責任法のフロンティア2019

    • 著者名/発表者名
      森田修
    • 総ページ数
      574
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641137998
  • [図書] 人間の尊厳と法の役割2018

    • 著者名/発表者名
      河上正二
    • 総ページ数
      744
    • 出版者
      信山社
    • ISBN
      9784797219029

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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