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2016 年度 実施状況報告書

加齢性大動脈弁狭窄症における歯周病原細菌関与の解明と新たな危険因子の探求

研究課題

研究課題/領域番号 16K21382
研究機関帝京大学

研究代表者

片岡 明久  帝京大学, 医学部, 助教 (70758143)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード相関関係 / 弁口面積/year / DVI/year / 血清P.g.抗IgG体価
研究実績の概要

帝京大学医学部病院循環器内科にて同意を得た加齢性AS患者29名(唾液28、血清サンプル15検体)に歯周病原細菌検査*を行い、心エコーでのAS進行、重症度**との関連を調査した。登録症例が29例と十分なため、相関関係、Cut-off値による歯周病原細菌検査値の差を検討した。
*リアルタイムPCR法により、Aggregatibacter Actinomycetencomitans (A.a.)とPorphyromonas gingivalis (P.g.)の唾液1ml中の細菌数を算出。また血清のA.a.とP.g.に対する抗IgG体価をELISA法にて測定した。
**心エコーデータから弁口面積、DVI(dimensionless index)の平均年次変化を算出し、進行が速い~中等度の群と緩徐な群に分類した。

歯周病原細菌検査とAS進行に関しては明らかな有意な相関関係は認められなかったが、Δ弁口面積/yearと唾液中のP.g.菌数、ΔDVI/yearと抗P.g.IgG抗体価はそれぞれR=-0.25 (p=0.27)、R=-0.52 (p=0.18)であり、今後の有意差が望まれる結果であった。
また、Cut-off値を用いた検討、severe ASとnon-severe ASの比較検討では、それぞれの群間に有意な差は認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は現在症例登録途期間中であり、症例数が足りないため、有意な相関関係および、有意な差を得ることができなかった。
しかし、DVI/yearと抗P.g.IgG抗体価はこの少ない症例数にしては良い相関関係が得られたと考えられた。また、一般的に心エコー図検査にはvariabilityがあり弁口面積は左室流出路の計測誤差のため、その代替とされていているDVIの方が参考になるという意見もある。また、採取時の口腔衛生を敏感に反映する唾液よりも、慢性的な歯周病原細菌の感染を反映している血清抗体価の方が良い指標になる可能性もある。したがって、この両者が今後有意な相関関係が得られそうであったので、今回の解析結果は非常に前向きな結果であったと考える。

今後の研究の推進方策

引き続き症例数を増やして、歯周病原細菌がAS病期の進行への関与が、古典的なASの危険因子である年齢、性別、糖尿病、高血圧、高脂血症、喫煙などと比較して独立因子としてあることを証明する。また、さらなる検討として、手術検体から得た大動脈弁切片にリアルタイムPCR法により歯周病原細菌の感染の証明を試み、将来的に内科的予防法がない本疾患に対して積極的な歯周病管理の介入によるAS進行予防の可能性を模索していきたい。

次年度使用額が生じた理由

購入したパソコンソフト、年度内支払いの一部が間に合わなかったため

次年度使用額の使用計画

上記パソコンソフトを購入し、使用計画に沿って進めていく

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大動脈弁狭窄症おける歯周病原細菌関与の解明- 新たな危険因子の探求-2017

    • 著者名/発表者名
      片岡 明久
    • 学会等名
      日本心エコー図学会 第28回学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2017-04-22 – 2017-04-22

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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