研究課題
まずはじめに、モデル抗原として卵白アルブミン(OVA)を外殻成分としたマイクロバブルの調製法に関する検討を行った。動的光散乱法・コールターカウンター法・ガスクロマトグラフィにより、マイクロバブル粒子径・粒子数・気体成分の含有量を評価し、再現性良く抗原からなるマイクロバブル調整法を確立した。次に、本調製法により調製したマイクロバブルに超音波を照射した際の抗原の細胞内動態を検討した。アジ化ナトリウム処理したマウス骨髄由来樹状細胞にAlexa 488で蛍光ラベルしたOVAを組み込んだマイクロバブルを添加し、超音波照射後、直ちに細胞を洗浄し、共焦点レーザー顕微鏡にて観察した。その結果、OVAからなるマイクロバブルを添加し、超音波照射した樹状細胞において、細胞膜周辺にOVA由来の蛍光が観察された。このことから、抗原からなるマイクロバブルに超音波照射することで、エンドサイトーシス非依存的に細胞内に抗原送達可能であることが示唆された。次に、MHCクラスI抗原提示誘導について検討した。樹状細胞にOVAからなるマイクロバブルを添加し、超音波照射した。1時間培養後、細胞を洗浄し、樹状細胞のMHCクラスI上のOVAエピトープを認識し、IL-2を産生するCD8-OVA1.3細胞と共培養した。20時間培養後、培養上清に含まれるIL-2をELISAにより測定した。その結果、OVAからなるマイクロバブルに超音波を照射することで、高いIL-2産生が認められた。このことから、抗原からなるマイクロバブルに超音波照射することでMHCクラスI抗原提示を誘導可能であることが示唆された。
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