研究成果の概要 |
FGF23は急性腎障害後に急激に上昇するが,その役割は明らかではない。我々はラットに片腎摘出後,35分間の虚血後再灌流障害(IRI)を行い,ミネラル代謝の経時的変化を評価した。IRI後,急激な高リン血症,FGF23上昇とともに,1,25(OH)2Dの低下を認めた。腎機能の改善とともに,FGF23値は正常化し,低リン血症の出現とともに1,25(OH)2Dの上昇を認めた。FGF受容体阻害薬を投与したところ,腎機能の回復後も高リン血症が遷延した一方,1,25(OH)2Dは上昇した。急性腎障害後に急激に上昇するFGF23は,高リン血症に対する防御機構としてダイナミックに機能している可能性が示唆される。
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