乳癌細胞株MDA-MB231のERAI-Venus安定導入株を作成し、IncuCyteを用いてXBP1-Venus蛍光強度を測定することで、ERストレス定量解析法を試みた。この解析法を用いて、プロテアソーム、オートファジーならびにアグリソーム形成の同時阻害を意図して、ボルテゾミブ、クラリスロマイシン、ボリノスタットの3剤同時添加処理を行ったところ、いかなる2剤の組み合わせに比べてERストレスが最大限に誘導され、かつ、最も強力な殺細胞効果が誘導された。 細胞内不良タンパク質処理機構を計画的に阻害し、ERストレスを最大限に負荷することで細胞死を誘導する「ER ストレス誘導療法」の可能性が示唆された。
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