研究課題/領域番号 |
16K21397
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小木津 武樹 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (00621202)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ITS / 自動運転 / ADAS / 運転支援 / 省エネルギー / 渋滞解消 |
研究実績の概要 |
(1) EDG制御系の構築:EDGの車両制御ストラテジに則って実際の車両を制御するためのフィードフォワードおよびフィードバック制御系を構築した。今年度は、前走車との通信によって車両の状態量を共有することを前提として、車群としての運動モデルを定義した。具体的には、前走車の状態量を入力とし、後続車の指令値を出力とするフィードフォワード・フィードバック制御系を得た。 (2) EDG制御系のシミュレーション評価:構築したEDG制御系を、シミュレーション評価用コンピュータに構築した複数車両の車両運動を同時並列に算出可能なシミュレーションソフトウェアを開発した。シミュレーションは、構築したEDG制御系に必要な前走車の状態量情報に対して一定の遅延を含ませたり、センサ情報に対して一定の誤差を含ませることを可能とした。評価では、EDG制御系を用いた車両群のほうが、非EDG制御系に比べて、車群全体の平均速度と省エネルギー効果が向上する結果を得た。 (3) 実車実験に向けた実験車両の構築:平成29年度に実施する実車実験に向けて、EDG制御系を実装可能なように車両を改造した。車両は応募者が以前自動運転の研究で改造を行った実績があるトヨタプリウス(NHW-20)を用いた。車両はEDG制御系を導入し評価するために、CAN情報の取得だけでなく、アクセル・ブレーキの制御が行えるように改造した。また車両は、各種センサを搭載した上で走行実験を行い、車両の各種運動特性モデルを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) EDG制御系の構築:予定していたとおり、EDGのEDGの車両制御ストラテジに則って実際の車両を制御するためのフィードフォワードおよびフィードバック制御系を構築した。 (2) EDG制御系のシミュレーション評価:予定していた通り、構築したEDG制御系を、シミュレーション評価用コンピュータに構築した複数車両の車両運動を同時並列に算出可能なシミュレーションソフトウェアを開発し、EDG系のシミュレーション評価を行った。また評価ではEDG制御系が有効であることを得た。 (3) 実車実験に向けた実験車両の構築:一台の車両について、EDG制御系を実装可能なように車両を改造し、各種センサを搭載した上で走行実験を行って、車両の各種運動特性モデルを作成した。二台目については五月中に完成予定である。
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今後の研究の推進方策 |
(1) EDG制御系の実験車両への適用:平成28年度で構築したEDG制御系を後続車用実験車両に適用する予定である。 (2) 実験車両の走行検証とEDG制御系の評価:大学のキャンパス内などで、用意した2台の実験車両の走行検証を行う。EDG制御系が必要な情報を想定した範囲内の誤差と遅延で得られているかを確認する。確認後、シミュレーションと同様の実験シナリオに則り、車両を走行させて安定性や追従精度等の評価に必要なデータを取得する。これによりシミュレーション結果の妥当性と、実際の安定性や追従精度を明らかにする。また、シミュレーション結果と実車実験の結果が乖離する場合は、その原因を明らかにする。走行検証や実験の過程で理論的要素以外の技術的課題が生じた場合は、その解決策を講じた上でその効果についても定量的な評価を行う。 (3) EDG制御系の実用に向けた技術的課題の抽出:実験車両の走行検証とEDG制御系の評価の過程で充分に安定運用の実績を積んだ後に、数人被験者による運用実験を行う。被験者実験では、被験者を車両に搭乗させた上でEDG制御系で走行し、その際の技術的・非技術的課題を記述させる。
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