研究課題/領域番号 |
16K21404
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
山本 容子 東邦大学, 看護学部, 助教 (10757173)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 子ども / 栄養不足 / 母乳 / 離乳食 / 教育プログラム / アフリカ / マラウイ |
研究実績の概要 |
アフリカ南東部のマラウイ共和国では、5歳未満児の3人に2人が栄養不足による健康問題を抱えており、サブサハラ・アフリカの中で最も深刻な状況にある。マラウイでは栄養不足の発症が、生後6-18ヶ月の間に著しく高まることから、生後6ヶ月間の完全母乳育児の継続や栄養価の高い十分な量の離乳食の提供、2歳までの母乳育児継続は、子どもの栄養状態を改善し、健全な成長発達を促すうえで非常に重要である。 マラウイでは、母乳育児を中心とした母子保健活動が取り組まれているが、現在も母乳のみを与える完全母乳期間は短く、特に農村部では多くの子どもが生後間もない時期に水や薬草水、離乳食などの母乳以外のものを与えられており、また1日に最低限の食事が摂取できる2歳未満児は5人に1人にも満たない状況にある。 そのため、本研究では完全母乳育児の促進と現地で入手可能な食材を活用した栄養価の高い離乳食の普及に向けた母乳育児と離乳期の子どもの食と栄養に関する包括的な教育プログラムを開発し、母子を取りまく環境を考慮した適切な時期に教育プログラムを導入し、その教育的介入の効果を検証することを目的としている。 本年度は、教育プログラムの開発に向けた現地調査の事前準備として、1)関係機関や施設への協力依頼、調査対象地の選定および協力依頼、倫理審査委員会への申請、2)現地での調査補助者の雇用および調査に向けた研修の実施、3)先行研究をもとに調査票の作成、現地研究協力者との協議・調整、英語から現地語への翻訳、プレテストの実施、4)インタビューガイドの作成を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画当初に予定していた2回目の現地調査が延期となり、調査票を用いた質問紙調査およびグループインタビューが実施できていない状況にある。しかし、現地調査の実施に向けた事前準備はすべて整っており、次年度の現地調査の回数を計画当初の2回から3回に変更し柔軟に対応することが可能であるため、本研究全体への影響はない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の計画としては、1)現地調査の回数を計画当初に予定していた2回から3回に変更し、次年度の早期時期に質問紙調査およびグループインタビューのための現地調査を実施する。2)調査結果をもとに教育プログラムの内容や方法について住民や保健スタッフ、現地関係者と協議・検討し、教育プログラムを開発する。3)教育プログラムの実施者となる看護師への研修を行い、保健施設において教育プログラムを継続的に実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マラウイでの現地調査を2回計画していたが、2回目の現地調査が延期となり本年度は現地調査が1回しか実施できず、2回目の現地調査旅費だけでなく当初予定していた物品購入や人件費を使用しなかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
現地との調整を行いながら次年度の現地調査回数を変更し、次年度の早期時期に本年度実施できなかった現地調査を実施する予定である。また、現地調査を円滑に実施するため、現地調査補助者の数を当初の予定よりも多く確保するための人件費と本年度予定していた物品を購入するための費用として使用する。
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