マラウイでは、5歳未満児の3人に2人が栄養失調を抱えており、離乳食の早期開始や栄養価の低い離乳食の継続的な提供により、生後6ヶ月~2歳に栄養失調の発症リスクが高まる傾向にある。そのため、本研究課題では乳幼児の栄養改善に向けた教育プログラムを開発し、母親の哺育行動と子どもの健康や成長に対する効果を検証することを目的としている。 本研究では、初年度に実施した基礎調査の結果や既存の教育媒体をもとに、母乳哺育と離乳期の哺育に関する教育を統合的に行う「母乳離乳統合プログラム(介入群)」と母乳哺育に関する教育のみを行う「母乳プログラム(対照群)」の2つの教育プログラムを設計した。そして、各教育プログラムを出生後から生後6ヶ月までの期間、乳幼児健診を利用し継続的に実施した。その後、教育プログラムの効果を測定するためプログラム終了直後と生後12ヶ月目に、母親の哺育行動と子どもの健康や成長に関する質問紙調査とインタビュー調査、子どもの身体計測による追跡調査を行った。 最終年度は、これまでのデータの整理と入力を行いながら、教育プログラムの効果を継続的に検証するため前年度と同様の追跡調査を生後24ヶ月目に実施した。本年度分のデータの整理と入力後に、これまでに得られたすべてのデータの分析を行い、実施した教育プログラムの効果を2群間で比較検証した。その後、本研究結果を現地研究協力者と共有し、研究対象者に対し研究結果の概要報告を行った。また、本研究の成果を論文投稿するため、英語論文の作成および英文校閲を行い、投稿準備を進めた。
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