研究課題/領域番号 |
16K21406
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
一小路 武安 東洋大学, 経営学部, 准教授 (80636390)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 技術認識 / ユーザーイノベーション / 企業戦略 / プロダクトライフサイクル / 消費者行動 / ゲーム / アニメ / スポーツ |
研究実績の概要 |
本研究では、第一に消費者の創造活動に関して新たな分析を行うにあたって、まず、既存のデータに基づいて論文にまとめ公刊した(Ichikohji and Katsumata, 2017)。この論文では、動画共有サイトへの投稿状況について研究を行った。結果として、さまざまな情報端末を持っている消費者がより動画投稿をすること、これらの消費者が一つの端末を集中的に使う消費者と異なるグループを形成していることを明らかにした。次に消費者の創造活動やシェアリングエコノミーの活動について検討するにあたって、職場環境やバラエティシーキングといった特性を組み込んだモデルを先行研究に基づいて構築し、500人を対象とするサーベイ調査を実施した。 第二に企業と消費者の関係性については、昨年度の計画の調整に伴って行った発表に基づいて、技術者と消費者の新技術の認識という論文化し公刊した(Ichikohji, 2017)。以上に加えて、消費者の意向が反映されすい業界であるスポーツ産業において分析を行い、論文化したうえで公刊した。この論文では、人々の行動が危機状態に置かれるかどうか、それが長期にわたるかどうかによって異なることが示されている。危機状態に置かれることで人々のモチベーションは一時的に高まるが、それが長期にわたることで危機疲れに陥り、パフォーマンスが落ちてしまうことを示したのである。 更に次年度に向けて、オンラインゲーム産業における事例分析を行うにあたって、新聞記事やプレスリリースを用いながら、技術転換期に企業行動について分析を行った。この結果は2018年度に国内で学会発表を行うよう投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度もほぼ計画通りに進んでいる。第一に消費者の創造活動に関しては、既存のデータに基づいて分析を行い、論文化すると同時に、年度末に新しいフレームワークに基づいて調査を行っている。この調査内容については次年度に新たにデータ分析を行う予定である。第二に、企業を対象とする調査に関しても前年度の内容に基づいて分析を行い、海外ジャーナルにて論文化すると同時に、初年度の企業調査について多少遅れていた分について、改めて新聞記事やプレスリリースからデータのとりなおしを行い、事例分析を行い、学会発表に向けてすでに申し込みを行っている。加えて、新たにエンターテインメント産業としてスポーツ業界を対象として、人々の行動を分析した。そのため、元々の計画以上に研究が進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
第一に消費者の創造活動に関しては、前年度の調査に基づいて、また必要に応じて新たに調査を行いながら、データ分析を進め、進捗状況に応じて学会発表や論文化の準備を進めていく。第二にに企業を対象とする調査については、学会発表を行った後、ブラッシュアップを行い、論文化に至るように試みる。前年度にてすでに本年度の計画を一部達成しているが、残りの研究課題を中心に取り組む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来であれば、年度末にインターネットベースの調査を行うはずであったが、申請者が勤務先が変わったため、執行をうまく行うことができず、その分の費用がそのまま次の年にずれこんでしまったためである。次年度は年初に調査を行うため、年度上のずれは生じるものの、研究上は大きな問題は生じない。
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