本研究は,人がインタラクティブシステムを利用中に生起される自己の延長感,一体感,所有感といった自己帰属感を研究し,インタラクションの体験メカニズムを明らかにするものである.ダミーカーソル実験環境の構築を通じて,自身のカーソルを動きのみから発見できることはすでに明らかにしているが,そのプロセスについては不明であった.本家級では,そのプロセスを視線計測によって秋からにするものである.今期はカーソルの動きによって主に実験環境構築を行った.これまでは30hzのアイトラッカーシステムを試用していたが、大学内研究予算で購入した300Hzのアイトラッカー(Tobii社)が利用可能となった。そのため、研究室内に設置し実験環境の準備を実施した。ダミーカーソル実験ソフトウェアはがMacOSで動作している。実装はopenFrameworksで行っているため、アイトラッカーの環境ではWindowsへの移植の必要性があるため、実験環境プログラムの移植を実施を開始した。環境構築は視線位置とマウス座標を同時に記録できるようにする.また、自己帰属感における音(振動)の関係性についてもアプローチするために振動提示装置を導入し実験環境構築を行っている。現在のところ、研究が遅れているため、実験環境の構築の作業については外注によって実施を検討している。研究計画書では受動マウス実験を計画していたが、次年度の状況によるが遂行は保留とし、設計可能性だけを考えていく予定である。
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