研究課題/領域番号 |
16K21425
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研究機関 | 立正大学 |
研究代表者 |
丹治 恭子 立正大学, 仏教学部, 准教授 (30509005)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 子育て / 幼保一元化 / 幼稚園 / 保育所 / 認定こども園 / 機能 / 近代家族 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
本研究は、「幼保一元化」に関わる公的保育制度の動向から、近代的な家族観やジェンダー構造に深く結びついた乳幼児期の子育てに関するイデオロギーの維持/変容を捉えることを目的としている。そのために、2010年代の幼稚園・保育所・認定こども園の機能に関する社会調査を実施すると共に、2005年に同様の方法で実施した調査結果との比較検討を行い、各施設の「子どもの教育・ケア」「子育て支援」機能の変容と子育てに関する規範との関連について、計量的手法によって明らかにする。 2017年度は、主として以下の二つの課題に取り組んだ。 ①乳幼児施設の機能に関する社会調査の実施に向けた調査票の作成、②実査に向けた調査設計 ①については、研究課題に関連した最新の文献ならびに2005年調査の調査票・回答、2016年度に実施した調査票作成のためのパイロット調査の結果を踏まえ、幼稚園・保育所・認定こども園用の3種類の調査票の作成を進めた。具体的には、保育実践者からの助言を得つつ、保育時間、保育・教育内容、子育て支援活動、市町村施策の認知、保護者のニーズ、「幼保一元化」に対する意識等の幅広い項目を含む調査票の作成に取り組んだ。 ②については、調査対象地域となる都市部と農村部の両方の地域を持つ2県内にある幼稚園・保育所・認定こども園の一覧の作成に取り組むと同時に、調査会社と調査設計などの打ち合わせを行うなど、実査に向けた準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度は、実査に向けた調査設計はおおむね順調に進行したが、当初計画では年度当初に完成予定であった調査票完成に想定以上の時間を要した。2019年度の調査実施に向けて、保育現場の実情に合った調査票の作成に注力した。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は最終年度となることから、本研究の中心的課題となる質問紙調査を実施し、2010年代における乳幼児施設の「子どもの教育・ケア」「子育て支援」機能について分析する。さらに、得られたデータを、2005年調査の結果と比較することで、2000年代以降における子育てに関するイデオロギーの変化を通時的な視点から検討し、これまでの研究成果をまとめ上げることを課題とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度は、質問紙調査の準備段階として、保育研究者・保育実践者の助言・確認を経て調査票作成に取り組んだ。この過程で、当初計画では年度当初に完成予定であった調査票完成に想定以上の時間を要した。加えて、2017年度から2018年度にかけて、研究代表者が産前産後の休暇及び育児休業の取得により研究を中断せざるを得ない状況が生じたため、機関調査を復職後の2019年度に実施することとした。 2017年度未使用分は、2019年度に予定している機関調査の実施・入力費用として用いることを計画している。具体的には、施設に対するニーズが異なると想定される都市部と農村部の両方の地域を持つ2つの県を取り上げ、県内にある幼稚園・保育所・認定こども園を対象とした質問紙調査を実施する。調査票の発送・回収といった事務作業ならびにデータ入力については調査会社への委託を予定している。
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