本研究は、動的環境下での聴覚刺激の角度変化が方向覚へ与える影響を明らかにすることを目的とした。対象は、ブラインドアスリート群と晴眼群とした。測定は、対象者にアイシェードを装着させ聴覚刺激として基準歩行路の延長上に聴覚刺激装置を30°-330°の範囲で設定し、音が鳴る方向に歩行するように指示し、その誤差角度を算出した。その結果、両群ともに、正中線上では誤差角度は少なく、対称方向からの刺激時に誤差角度は増大した。また、誤差角度の差はブラインドアスリート群と比較し晴眼群の方が大きかった。今後、さらに要因の検討を行うことで、ブラインドアスリートの動的な方向覚の特性について明らかにしていく必要がある。
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