本研究では人工膝関節置換術前後の骨量を検討し、術前後の変化を明らかにするとともに、身体活動量と骨量との関係性を明らかにすることを主な目的とした。平成28年度に研究を開始、対象者のリクルーティング、術前の測定を行い、平成29年度においても引き続き対象者のリクルーティング、術前の測定を行った。対象は変形性膝関節症を原疾患として人工膝関節置換術を施行する者とし、両側同時の人工膝関節置換術も対象として含んだ。平成28年度、29年度において計122名の対象者をリクルーティングし、平成30年度においては対象者のフォローアップを継続し、術後6ヶ月、1年の測定を行った。さらに平成31年度においては術後1年の測定を継続し、術前では測定を行った122名のうち、80名に対して術後1年の測定を実施することができた。術後1年の測定を行った80名に対しては骨量、膝関節可動域、膝関節伸展筋力、身体活動量、患者立脚型評価の計測を実施した。 本研究の課題の一部として、平成30年度に第6回日本運動器理学療法学会学術大会において「変形性膝関節症患者における骨折リスクの検討」を、平成31年度に第7回日本運動器理学療法学会学術大会において「人工膝関節置換術前後の身体活動量の変化と骨折リスクの関係性」を発表した。これらは本研究の課題の一部を途中経過として報告したものであるため、今後は測定の終了を受けて人工膝関節置換術前後の変化について明らかにする。
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