痙直型脳性麻痺患者における末梢神経の伝導速度や脊髄前角細胞の興奮性を示すH反射について調査を行った。運動レベルの高い脳性麻痺患者では、利き足非利き足の神経伝導速度に差がなく、下肢随意性や筋力と関連がなかった。脳性麻痺患者ではうつ伏せより立位にてH反射の振幅が大きく、姿勢による反射の調節能力が低下することが示唆された。また、脳性麻痺者は足関節の筋収縮時のH波の反応から、健常者と比べて脊髄前角細胞の興奮性が十分に制御されていなかった。健常者と運動レベルの高い脳性麻痺患者では立位でのストレッチ後にH波の振幅低下を確認できたが、運動レベルの低い脳性麻痺患者ではストレッチ後にH波の振幅が上昇した。
|