研究課題
若手研究(B)
これまでの研究では、「2ちゃんねる」や「まとめサイト」の利用習慣と在日コリアンに対するレイシズム(人種・民族偏見)の強さに関連性があることが示されてきた。本研究では縦断的調査を行うことで、その因果関係の向きを検討した。その結果、これらのウェブサイトの利用頻度が高いことによりレイシズムが強まるという効果と、レイシズムが強いことによりこれらのウェブサイトをより頻繁に利用するようになるという効果の両方が存在することが示された。ただし、効果には年齢・性別による違いも見られた。
社会心理学
近年の日本では在日コリアンに対する差別的な言説が流行し、深刻な社会問題となっており、こうした状況を助長する要因としてインターネット上の言説空間の存在が指摘されてきた。しかしながら、インターネットの利用が利用者の偏見を強める因果的な効果があるのかは明らかにされていなかった。本研究はこの点を解明したものであり、メディアと社会の関わりを考える上で重要なものである。