本研究の目的は、コンテンツ産業のフリー型ビジネスモデルにおける消費者行動について、理論モデルを構築し、定量的分析を行うことで経営的含意を導くことである。本研究の特徴は、定量的分析をベースとしていることと、分野横断的に様々なコンテンツ産業を対象とすること、そして、シンクタンク保有の豊富なパネルデータを利用することである。分析の結果、最適ARPPUは11,754円であること、有料ユーザにしかネットワーク効果がないこと、モバイルゲームのコンソールゲームへの代替効果は小さいこと、音楽産業では公式無料配信が売り上げにプラスだが、海賊版は音楽・映像産業で売り上げにマイナスであること等が明らかになった。
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