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2019 年度 実績報告書

近代中国における学校管理学の受容と実践に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K21460
研究機関南山大学

研究代表者

宮原 佳昭  南山大学, 外国語学部, 准教授 (60611621)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード中国 / 近代 / 学校管理学 / 教育学
研究実績の概要

令和元年度は中国で史料の補充調査を実施するとともに、これまで収集した史料の整理と分析を進めることができた。
2019年8月25日から30日に武漢へ出張し、湖北省図書館の地方文献閲覧室において、清末に日本へ留学した閔豸ら湖北省出身学生が編訳した『実用小学管理法』(1905年)のほか、小林又一著・競雄編訳社訳『小学校管理法』(競雄編訳社、1906年)および陸費逵『管理法講義』(商務印書館、1914年初版・1916年再版)を閲覧し、必要部分を写真撮影することができた。また、陸費逵『管理法講義』について、以前に入手した清末版およびこのたび入手した小林又一著・競雄編訳社訳『小学校管理法』と内容を比較することで、①清末版と民国版では、法令部分に変更があるだけでなく民国版独自の按語があるほか、校務・学校衛生の二章分が加筆されていること、②陸費逵本は章構成や内容の点で小林又一本の直接的影響を受けていること、という本研究課題にとって重要な知見を得ることができた。
本研究課題で収集できた中国近代の学校管理学に関する資料のうち、師範教育向けに編纂・刊行された学校管理学教科書は21種で、それらの刊行時期は1900年代初頭から1930年代初頭にわたる。これらの内容を分析することで、本研究課題に関する次の知見が得られた。①1900年代初頭から1910年頃までに刊行された13種は日本の学校管理学教科書の翻訳および日本人教師の講義録が中心であり、日本の制度の紹介が主となっている。②中華民国初年に刊行された6種は中国の教育制度に即した内容への改変が見られるが、学校管理学の枠組みや衛生制度等については日本の制度の紹介がなおも見られる。③1920年代以降は学校管理学を主題とする教科書の刊行が減り、収集できたのは2種であるが、この2種も②と同様、学校管理学の枠組みや衛生制度等における日本の影響を見ることができる。

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公開日: 2021-01-27  

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