研究課題/領域番号 |
16K21461
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
林 尊弘 星城大学, リハビリテーション学部, 助教 (40649787)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 転倒予防 / 一次予防 / スポーツグループ / 地域在住高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,地域づくりによる転倒予防戦略として,厚生労働省が促進する高齢者の社会参加の中でも地域におけるスポーツグループへの参加に着目し,協力自治体において地域在住高齢者を対象としたコホート研究(3時点縦断調査)を行うことである.それにより,①どのようなスポーツグループに参加することが転倒予防に効果的か,②それらのグループへの参加促進要因や,③参加を通じて得られる社会的サポート・ネットワークなどが転倒予防に寄与しているのかを明らかにする.そして,その知見から地域づくりによる新しい転倒予防戦略を提案することである. 平成29年度では,既存データ(平成25度調査)を用いた分析から,運動をひとりで行う者よりもスポーツグループに参加している者で転倒経験が少なく,その機序として身体活動頻度や心理的側面の関与の存在を明らかにした(現在,論文化を進めている).また,社会参加の一つでスポーツグループへの参加促進要因と報告されているサロン参加に着目し,サロン参加後に社会参加が増えたと認識している者ほど主観的健康感が高いことが確認された.なお,この結果については第76回日本公衆衛生学会総会で発表し,ポスター賞を受賞した. 平成28年度に実施した調査データについては,データクリーニングが終了し,横断分析にてどのようなスポーツグループに参加している者で転倒発生割合が低いかを検討した.結果,前期高齢者ではゴルフ,後期高齢者では体操や筋トレ,太極拳などのスポーツグループに参加している者で転倒発生割合が低いことが確認された.今後は,パネルデータ(2時点・3時点)を用いて分析を進めていく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度に実施した調査データについては,研究協力者の協力のもとデータクリーニングが終了し,横断分析および平成25年度調査データと結合することでパネル分析が可能な状態になっている. また,既存データを活用した研究成果の発表では,日本公衆衛生学会総会で研究成果を発表した.
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今後の研究の推進方策 |
平成30年では,既存データと結合したパネルデータを使用し分析を進めていく.そして,その研究成果を学会発表などを通じて公表していく.また,今までの研究成果については,論文化に向けた執筆を実施していきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 所属機関の変更により,日本老年学的評価研究プロジェクトの会議(月1回実施)にあまり参加することができなかったため,使用額が変更となった. (使用計画) 本研究課題に関する成果発表のために,学会発表旅費や海外雑誌投稿料等で使用していく.
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