研究課題/領域番号 |
16K21466
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研究機関 | 東海学園大学 |
研究代表者 |
田中 望 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 講師 (50387635)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヘルスアップ・ロジスティクス / フィードバックシステム / 健康・体力づくり / 幼児 / 工程分析 |
研究実績の概要 |
健康づくり及び体力づくりに関する実践活動については多くの報告がある.しかし,測定結果や評価情報を効率よく提供することが求められる現状に対してフィードバックの理論構築がなされていない現状があった.これまでの健康づくりや体力づくりは,測定者および測定集団の知識や経験に裏付けられた方法の伝承が行われてきたこと,健康づくり・体力づくりを主目的とするため,その準備や測定中の作業工程は重要視されてこなかったことが推測される.したがって,その活動をいかに最適化するかという内容については検討の余地があると考える.本研究では流通システムの核であり,戦略的な業務内容の合理化を目指したロジスティクス理論を適用した簡易的健康づくりフィードバックモデルの検証からヘルスアップ・ロジスティクス構築に関する検討を行うことを目的とした.ロジスティクスでは点(供給地点)から点(需要地点)までの「もの」や「情報」の流れの最適化を目指す.したがって,供給地点と需要地点を結ぶ活動がいかに効率よく,効果的に行えるかが焦点となる.特に本研究では,地域の保育園と研究機関との連携によるにおける幼児の健康・体力づくり活動を対象に分析析を行う. 簡易的健康づくりフィードバックモデルは「広報システム」「測定システム」「分析・評価システム」「健康改善システム」の4つのシステムを軸としている。これらの各システムを円滑に稼動させるためには,人材,情報・知識,時間の最適化が必要になる.今年度は,これらの4つのシステムにおける全体の流れ・工程の検証を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
まず,供給地点と需要地点について定義を再構築する必要が出てきた.本研究では公営の施設を対象としたため,2点ではなく3つの地点を相互に結ぶ必要が明らかにされた.また,これに加え供給地点である研究機関内における活動も重要な役割を果たしており,工程の検証には4つの地点を必要に応じて結ぶことを前提として分析を行った.その結果,「広報システム」では9工程,「測定システム」では3段階26工程,「分析・評価システム」では4工程,「健康改善システム」では35工程が必要であることが示された. 今年度,各システムの工程順序が明確にされたが,工程におけるロスの原因分析,ロス低減対策およびその効果測定等の分析および改善を行う予定であった.これらの分析のための機器購入および研究環境整備を行っている. 今年度得られた結果については,国内の学会において発表を行った.
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今後の研究の推進方策 |
今年度、各システムの工程順序が明確にされたが,工程におけるロスの原因分析,ロス低減対策およびその効果測定等の工程分析を進める必要がある.一般にいかなる作業においても,作業スキルの習熟度は作業効率に影響することが考えられる.また,熟練者の品質に対して未熟練者では品質保証が難しいことも考えられる.ところで,物流の作業工程は大きく6つに分類される.作業工程分析は課業工程に関する分析に該当すると考えられるが,さらにその下位作業として,単位作業や要素作業がある.本システムの生産性向上のために,これらの工程における時間,移動距離などを観察,調査し,ロスの低減について分析をする必要がある.つまり,仕事量とそれらの時間比率の検証および価値を生む作業と付加価値を生まない作業に整理・分類し,行動および作業内容改良の着眼点を整理し、改善の仮説を立てる試みを行う. また,活動に参加する作業者(学生)のスキル向上と活動事態の品質保証のために,最適化されたフィードバックモデルを活用して幼児の健康・体力づくりの教育ツールを開発に着手する.そして,より効率的な工程数、時間と人数で継続的に幼児の健康・体力づくりを実践するための資料を作成する.
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