6量体ATP分解酵素は生体内で様々な反応を担う重要な蛋白質である。6量体で形成されるリングがATP分解に伴い構造変化を起こすことで、基質の認識や切断を行う。その6量体の構造変化の機構は、いまだ不明な点が多い。電子顕微鏡による構造解析や1分子観察を用いて、その機構を明らかにすることを目的とした。 電子顕微鏡による構造解析により、6量体ATP分解酵素の1種であるV-ATPaseの状態の異なる3つ構造を明らかにした。この結果から、反応機構の一部を明らかにした。 人工的な基質を設計し、6量体 ATPaseとの相互作用を観察した結果、両者の相互作用が厳密なものではなく、大雑把なものだということが分かった。
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