本研究は、韓国と日本に居住する脱北者の社会適応についてジェンダー比較を行ったものである。当事者及び支援団体への聞き取り調査を通じて、彼ら彼女らの進学・就職、家族形成に注目して分析を行った。 その結果、韓国在住の女性脱北者は北朝鮮及び中国での家族解体や売買婚といった困難経験が韓国での社会適応にも影響を与えており、男性脱北者は北朝鮮での困難対処範囲の限定、中国での労働受容性の低さ、韓国社会での社会的位置付けのギャップに大きな困難を経験していた。一方、日本に在住する脱北者の場合、男女の相違により社会適応のために言語・生活・就職支援といったサポートの不足による共通の困難経験を抱えていた。
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