本研究では、Sugimura & Miyamoto (2015) をベースにV-ni V構文等の複雑述語をミニマリストプログラムの枠組みで捉え直し、付加詞併合の際のラベル付与は基本的には随意的である (Hornstein 2009) ことを確認した。また、英語とは異なり、付加詞としての「に」句からの抜き出しの効果が日本語には見られないことを観察し、その違いは付加詞併合の際にtwo-peaked構造の生成 (Epstein, Kitahara & Seely 2012; Oseki 2015) を要するか否かに起因することを、Saito (2014)の反ラベル素性を仮定した上で明らかにした。
|