研究課題/領域番号 |
16K21486
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
根津 朝彦 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (70710044)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 共同通信 / 言論の自由 / 自主規制 / 不偏不党 |
研究実績の概要 |
論文としては、「言論の自由と自主規制の相克―「不偏不党」の形成をめぐって」を執筆した。現在でも朝日新聞綱領や放送法などで「不偏不党」が掲げられ、これがジャーナリズムを律する重要な規範であると自明視されやすい。しかし先行研究を援用する形で、この「不偏不党」の形成が、日本のジャーナリズム史において自主規制を深めるアキレス腱となっていることを論じたものである。 東京にある通信社ライブラリーには2度調査に赴き、共同通信社の社史関連を中心に多くの資料を収集することができた。特に、『共同通信社50年史』の分冊(『共同通信社50年史余話』など)と、共同通信出身の関係者の情報を押さえることができた。さらに共同通信研究の重要なジャーナリストの一人である原寿雄氏のご子息である原真氏(共同通信社富山支局長)と面会を果たすこともできた。イギリスでは共同通信ロンドン支局長を含め6人の特派員に面会し、イギリスの報道機関との比較点等をヒアリングした。イギリスの新聞街であったフリートストリートを実地に見聞し、歴史展示にも触れることができた。 共同通信記者社員リストを作成しながら、共同通信関連の文献(田英夫、斎藤正躬、新井直之、斎藤茂男、村岡博人ら)を読み進めて分析を行っている最中である。 また国立歴史民俗博物館の共同研究で「「1968」をめぐる学生運動と新聞メディア」を報告した。この報告を通じて、同時代の中で共同通信記者と同じく学生運動を取材担当した『毎日新聞』の内藤国夫がキーパーソンであると見定め、彼の文献も収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共同通信の周辺のジャーナリズム史研究と、共同通信関連の文献と社史の読み込みに時間がかかり、論文の執筆が遅れているため。ただし資料収集は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
共同通信社のジャーナリズム史の研究を進めるために、これまで読み進めた共同通信のジャーナリストと社史の文献の分析結果をまとめ、「共同通信のジャーナリスト史」に関する論文を執筆することが最大の研究方策である。共同通信の労働組合の資料も読み込んでいく。その過程で、作成途中の共同通信記者社員リストも完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
クレジットカード払いのため実際の清算が次年度になってしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
クレジットカード払いで購入した物品費(書籍)に充てる。
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