研究課題
若手研究(B)
本研究は、自動車ディーラー企業を対象として、優れた顧客経験を創造する組織能力がいかに構築されるのかを実証的に明らかにしようとした。サービス・ドミナント・ロジックにおける価値共創の観点から、企業の志向性が長期的にシフトするプロセスにおいて、本社と店舗の間の関係性が果たす重要な役割を特定した。また、顧客経験は本社と店舗の共同努力を通じて創出されるという事実に着目し、両者の間でタッチポイントに関する決定権限がどのように配分されるべきかに関して仮説を構築した。
サービスマネジメント
本研究は、価値共創やタッチポイントに関する決定権限の配分といった組織の観点を導入することで、顧客経験の性質を検討する先行研究を補完する役割を果たした。また、具体的な仮説を示したことで、新しい理論的・実証的研究の方向性を示した。実務に対しては、優れた顧客経験を創出するためには顧客とのインターフェースの設計だけでなく大局的な組織の変革とマネジメントが求められる点を強調するとともに、その際に有益な指針を提示した。