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2016 年度 実施状況報告書

遠心流路を用いた細胞への過重力負荷と力学刺激負荷細胞培養システムへの応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K21493
研究機関大阪大学

研究代表者

殿村 渉  大阪大学, 産業科学研究所, 特任助教(常勤) (50581493)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードマイクロ・ナノ流体デバイス / メカノバイオロジー
研究実績の概要

本研究課題は、単一細胞や培養細胞組織への力学的な刺激に対する受容応答(メカノセンサ)機構を評価するため、細胞に対して過重力の負荷を与え、その生化学的な受容応答を同時に評価する微小遠心流路を基本構造とした力学刺激負荷細胞培養システムの開発を目指す。具体的には、過重力環境下において微小遠心流路内を流れている微粒子(細胞)の定性的な解析、過重力環境下において微小遠心流路内における挙動の定量的な解析、最適設計した微小遠心流路を用いた細胞への過重力負荷およびその受容応答評価、最適設計した微小遠心流路を基本構造とする力学刺激負荷細胞培養システムを用いた培養細胞組織への過重力負荷およびその受容応答評価に取り組む。
当該年度では、候補となる複数の微小遠心流路設計に対し、微小遠心流路内を流れている単一微粒子にどのような力が作用するのかについて質点系のニュートン力学および数値流体力学解析により定性的および定量的に評価した。シリコーン樹脂を用いたソフトリソグラフィ技術により試作した各種微小遠心流路内に、細胞の大きさを想定した直径6マイクロメートルのカルボキシ基表面修飾ポリスチレン微粒子溶液を流体圧力制御機器により送液し、その微粒子挙動を高速度カメラで観測した。目標とする微粒子への過重力負荷値まで到達できていないため、微小遠心流路の再設計・再評価および界面動電現象を用いた流体ポンプの導入も含めて検証を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

力学的な刺激に対する細胞の受容応答(メカノセンサ)機構を評価する微小遠心流路を基本構造とした評価系の開発を目指す本研究課題における当該年度までの目的は、過重力環境下において微小遠心流路内を流れている微粒子(細胞)の定性的な解析、過重力環境下において微小遠心流路内における挙動の定量的な解析、最適設計した微小遠心流路を用いた細胞への過重力負荷およびその受容応答評価である。現在までに、候補となる複数の微小遠心流路設計(曲率半径一定、異なる曲率半径の組み合わせ、流路断面形状変化)に対し、微小遠心流路内を流れている単一微粒子に作用する力について質点系のニュートン力学および数値流体力学解析により定性的および定量的に評価したが、試作したシリコーン樹脂製微小遠心流路において、細胞の大きさを想定した直径6マイクロメートルのカルボキシ基表面修飾ポリスチレン微粒子溶液を流体圧力制御機器により送液、その微粒子挙動を高速度カメラで観測した結果、目標とする微粒子への過重力負荷値まで到達できなかった。今後、微小遠心流路の再設計・再評価および界面動電現象を用いた流体ポンプの導入も含めて検証を進め、細胞への過重力負荷およびその受容応答評価に取り組む。

今後の研究の推進方策

当該年度までに得られた成果を踏まえ、引き続き、本研究の主要課題である力学的な刺激に対する細胞の受容応答(メカノセンサ)機構を評価する微小遠心流路を基本構造とした評価系の開発を目指す。当初の次年度計画である、最適設計した微小遠心流路を基本構造とする力学刺激負荷細胞培養システムによる、培養細胞組織(例:骨組織)への所望の過重力負荷およびその生化学的な受容応答評価の実現に向けて推進するが、単一細胞をターゲットとした評価系の構築を優先的に進める。これまでに検証を進めた複数の微小遠心流路設計(曲率半径一定、異なる曲率半径の組み合わせ、流路断面形状変化)に対し、微小遠心流路の再設計・再評価および所望の過重力環境が得られない場合は界面動電現象を用いた流体ポンプの導入も含めて更に検証を進め、細胞への過重力負荷およびその受容応答評価(例:カルシウムイオン変化量)を推進する。

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公開日: 2018-01-16  

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