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2018 年度 実績報告書

宋代を中心とする天文占書の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K21503
研究機関関西大学

研究代表者

高橋 あやの  関西大学, 東西学術研究所, 非常勤研究員 (60734241)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード天文占書 / 霊台秘苑 / 観象玩占 / 朝鮮刊本
研究実績の概要

今年度は、『霊台秘苑』と『観象玩占』のテキスト調査をもとに研究発表と論文執筆をし、本研究のまとめとした。
『霊台秘苑』に関しては、北周に編纂・宋代に重修されたが、現存の15巻本がどこまで北周の内容を残すかは長年疑問のままであった。本研究において国内所蔵のテキストを比較し、宋代の特徴が色濃く、北周の内容をほとんど残していないと指摘した。これにより、宋代のテキストとして『霊台秘苑』を研究に利用することが可能となった。このことについて、2019年3月に東京ミーティング2019.3にて研究発表し、同2月には「『霊台秘苑』のテキストについて」という論考が武田時昌編『天と地の科学』(京都大学人文科学研究所)に掲載された。
また、『観象玩占』は現存テキストも多い天文占書であるが、成立時期は不明で著者・巻数・内容等にヴァリエーションがあり、いずれが正しいとも判断しがたい扱いづらい文献である。そこで本研究において朝鮮刊本を調査し、江戸時代の日本と朝鮮王朝の天文占書受容を比較した。その結果、『観象玩占』は日韓両国に流入したものの、朝鮮王朝では粛宗・英祖期に幾度も刊行され、国の役所である観象監で測候の際に参照される等、中国由来の天文書として権威をもった。一方、日本(江戸時代)では一部の有力大名が所持するものの、勘文等政治の場では用いられず、使用の実態が見られなかったことを明らかにした。
さらに、『霊台秘苑』の2系統のテキストを電子テキストとして入力した。今後、天文占書フルテキストデータベースにて公開予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [雑誌論文] 『霊台秘苑』のテキストについて2019

    • 著者名/発表者名
      高橋あやの
    • 雑誌名

      武田時昌編『天と地の科学』

      巻: - ページ: 300~315

  • [雑誌論文] 『観象玩占』にみる東アジアの術数文化2019

    • 著者名/発表者名
      高橋あやの
    • 雑誌名

      水口幹記編『前近代東アジアの〈術数文化〉』(掲載決定)

      巻: - ページ: -

  • [学会発表] 『霊台秘苑』の比較研究2019

    • 著者名/発表者名
      高橋あやの
    • 学会等名
      東京ミーティング2019.3
  • [学会発表] 中国の宇宙論について2019

    • 著者名/発表者名
      高橋あやの
    • 学会等名
      紅楼夢研究会
  • [学会発表] 日蔵漢籍《霊台秘苑》的比較研究2019

    • 著者名/発表者名
      高橋あやの
    • 学会等名
      写本文化与跨文化交流国際学術検討会(発表決定)
    • 国際学会
  • [図書] 張衡の天文学思想2018

    • 著者名/発表者名
      高橋あやの
    • 総ページ数
      346
    • 出版者
      汲古書院
    • ISBN
      978-4-7629-6622-4
  • [備考] 天文占書フルテキストデータベース

    • URL

      http://www.temmon.org/

  • [学会・シンポジウム開催] 『天地瑞祥志』を中心とした前近代東アジア思想・文化の総合的研究(共催)2018

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公開日: 2019-12-27  

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