本研究は、若年層の生産性向上に寄与する中等高等教育段階における職業教育の在り方を模索するため、既存研究の精査及び三世代4000名を対象とする独自調査を用いた実証分析を通して、個人の職業教育経験やその内容が中長期的な就業状況に与える影響について検証を行う。現在までの推計結果によれば、高校学科での職業教育経験は、40代までの世代では就業率や賃金との正の相関が確認されたが、60歳前後の年長世代では同様の効果が確認できなかった。しかし、年長世代でも職業学科卒後のルートによっては、職業教育経験の正の就業効果が観察され、その中長期的な効果について卒後ルートや教育内容別にさらなる詳細な検証が求められる。
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