多様な歩行者条件×環境条件に基づくシナリオを設定して,住宅地や観光地など3地域を対象に最適経路を求めた.その結果,たとえば夏季の観光地において,観光に加えて快適性を重視する歩行者の最適経路は,他の経路に比べて総距離が約1割増加したが,全体の約7割は日影を歩いて観光できる経路であった.これにより経路の増加を1割程度に抑えながら多様な歩行者の嗜好に合わせて最適経路を提案できることを明らかにした. そして本手法の広域展開を目指し,歩行経路の情報を効率よく収集できるアプリ等を開発し,ビデオ通話機能を用いた遠隔ファシリテートによる歩行実験手法を試行してコロナ禍でも実施できる新たな歩行実験手法を示した.
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