開発研究は、斜光によって陰影を強調する側光法を発展させた技術「ひかり拓本」を完成させた(特許申請済)。本技術は、簡便な装置(デジタルカメラ・ハンディライト・三脚)を用いて、対象に斜光で影をつくりながら撮影することで電子的な拓本画像を作成する技術である。当技術の普及を目的としたツール「EpiScan(Windows版)」も合わせて開発した。本技術について、読売新聞社より取材を受け、2020年5月10日の朝刊「サイエンス Focus」に掲載された。当該技術の第三者の利用実験として、高校の歴史研究部活動に碑文解読用のソフトを提供し判読可能な碑文画像を作成を行った。調査の様子は共同通信の取材を受け、・岩手日報(3/18朝刊)、信濃毎日(3/18夕刊)、長崎新聞(3/21朝刊)、高知新聞(3/17夕刊)、千葉日報(3/20朝刊)、山陽新聞(夕刊)、熊本日日新聞(4/4夕刊)、京都新聞、奈良新聞、中部経済新聞などに掲載された。 調査研究は、紀伊半島(和歌山県・三重県)の自然災害伝承碑(津波)のデータ収集を完了し、抽出した語句を用例辞書に登録した。 公開については、解析用のデータベースは、代表者の所属移転により、2020年春現在は非公開である。特許技術である「ひかり拓本」と連動するため、公開場所・方法については現所属機関で調整中である。 碑文可視化ツール「EpiScan」の成果を公表するために、収集した碑文の可読性の高い画像を公開する「ひかり拓本データベース」(https://takuhon.lab.irides.tohoku.ac.jp)を、東北大学災害科学国際研究所にて公開した。
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