本研究の学術的な特色は、財市場の競争度合いという統一的な視点から、経済成長、所得分配、金融政策の有効性に関するマクロ経済問題を包括的に取り扱うことができるという点である。財市場と労働市場の不完全性を考慮することによって、従来説明できなかった現象が説明可能となる。望ましい経済成長戦略は何かを考えることが重要である。研究成果の意義は次の通りである。経済成長率を高めるためには、望ましい労使交渉の形態を選択すること。財市場の独占度が高すぎる場合は、財市場を競争的にすることによって、経済成長率を高めることが可能となる。
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