日中の眠気は代表的な月経前症状の一つであり、高体温が維持されることによる睡眠の質の低下が影響している可能性がある。本研究では、全身浴および睡眠中の頭部冷罨法が月経前の夜間体温と睡眠の質に及ぼす影響についてクロスオーバー法を用いて検証した。全身浴は睡眠時体温および睡眠の質に有意な影響を及ぼさなかったが、睡眠中の頭部冷罨法には鼓膜温を低下させるとともに中途覚醒を減少させる効果があることが示唆された。さらに、頭部冷罨法は起床後の覚醒度についても改善が認められた。睡眠中の頭部冷罨法は黄体期にある女性の睡眠の質ならびに日中の眠気を改善するためのセルフケア法として有用である可能性がある。
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