研究課題/領域番号 |
16K21530
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研究機関 | 畿央大学 |
研究代表者 |
松本 大輔 畿央大学, 健康科学部, 助教 (20511554)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 双生児研究 / 身体活動 / 国際比較研究 / 在留日本人 |
研究実績の概要 |
平成28年度に大阪大学ツインリサーチセンター登録者2336名へ調査を実施,調査票の回収を終え,平成29年度では,データクリーニングおよび分析を進めた.海外では身体活動量の遺伝率についての報告は多数見られるものの,わが国はもちろん,アジアでの報告はほとんどない状況であった.しかし,今回のデータ分析の結果,わが国で初めて双生児研究法を用いて,わが国の成人の身体活動量の遺伝率を算出することができ,歩行の活動量と,座位行動時間に遺伝率が認められることを双生児研究学会で報告した.平成30年度では国際リハビリテーション医学会への演題も採択され,発表を予定している. また、国際共同研究につなげるため、研究協力者を中心に,フィンランドのツインレジストリに関わる研究者との情報交換を行い、データ共有の方法の検討を行ったが,まだ,共有できていない.また、ツインレジストリが確立されていないフランス、インドネシア(ウダヤナ大学)、タイ(チュラロンコン大学,バンコク病院)などのアジアを含めた各国の大学研究者,研究所を訪問し、研究の説明、協力依頼、双生児研究についての現状の把握を行った。さらに、在日外国人、在留日本人調査を実施するために日本人会等の関係者や現地に関わる研究者とも意見交換を行った。関連学会への参加および国際共同研究を実施している研究者とのネットワーク作りを行い、情報収集を行った。平成30年度は在留日本人へのインタビュー調査を予定しており,実現可能な方法を検討,国際共同研究の基盤形成のために継続的に訪問、現地研究者との会議を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度に調査を実施し,調査票の回収を終え,平成29年度では,データ分析の結果,わが国で初めて双生児研究法を用いて,わが国の成人の身体活動量の遺伝率を算出し,歩行の活動量と座位行動時間に遺伝率が認められることを明らかにした.その成果を双生児研究学会で報告し,平成30年度では国際リハビリテーション医学会への演題も採択され,発表を予定していることについてはおおむね順調であると考える. しかし,当初予定していた海外の双生児研究者とのデータ交換による国際比較については,研究協力者を中心に,フィンランドのツインレジストリに関わる研究者との情報交換を行い、データ共有の方法の検討を行ったが,いまだ共有できていない. さらに,海外在住の日本人を対象とした環境因子の特定のための調査についても実施についてや調査票の検討にも至っていないので,やや遅れていると判断する. 現在はツインレジストリが確立されていないフランス、インドネシア(ウダヤナ大学)、タイ(チュラロンコン大学,バンコク病院)などのアジアを含めた各国の大学研究者,研究所を訪問し、研究の説明、協力依頼、双生児研究についての各国での現状についてヒアリングを行ったが,その基盤が整っていないようである.双生児研究レジストリのデータ共有による比較研究のみならず、在日外国人、在留日本人調査を実施するために日本人会等の関係者や現地に関わる研究者とも意見交換を行い,ネットワーク作り、情報収集を行っている。平成30年度は在留日本人へのインタビュー調査を予定しており,実現可能な方法を検討,国際共同研究の基盤形成のために継続的に訪問、現地研究者との会議を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度の分析結果を元に、現在調整をしている国の関係機関および研究者への理解が得ていくことや,実現可能性が高い在留日本人へのインタビューから始め,調査票の検討を進めていく必要がある。 同時進行で,分析を進めるためにも,双生児研究が進んでいる他国のチームとの繋がり を作り、手法を学ぶことも必要である。 国際比較研究については各国の制度や仕組みの違いにより問題が生じることがあるので、継続的に会議や直接的な交流を設け,関係性を保つことも重要であると考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 平成28年度実施した調査票に関わる郵送費や印刷費等について、当初予定していた額よりも少なくなった分が残っている.また、国際共同研究のために予定していたツインレジストリを持つ海外の研究者の訪問が先方との調整がうまくいかず実施できなかったため. (使用計画) 平成30年度に予定しているツインレジストリを持つ海外研究者への訪問を実施する。また、分析のためにツインレジストリの分析手法のトレーニングを海外で受ける。
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